20120111

LITESPEED ARCHON T1の憂鬱  ヘッドチューブ BB




ARCHON T1と言えばこの特徴的なヘッド部分
アンカーのドラゴンクローヘッドみたいだが2006年発表のARCHON T1 の方が先である。 チタン板をこんな形に形成するパイプ作りから始め、その上ヘッドチューブに巻き付ける面倒なことまでやって他の有名チタンビルダーのフレームとほぼ同じ値段だなんて、考え方によってはこれはバーゲンとも思える。



でもこうも思います。 『このフレームがリングに上がってるボクサーだったらタオル投げます。』 って 
だって、ヘッドチューブ前面で曲がってるし・・・・







ARCHON T1では、ヘッドチューブをWバテッド肉薄化で軽量化しているにも拘わらずダウンチューブ、トップチューブを巻き付けることによってヘッド全体では剛性をあげているという。 確かに過去のフレームのヘッドチューブと比べれば見てすぐ分かるほど肉薄化されている。 しかし、その厚みをよく見ると、場所によって薄かったり厚かったり不均一なのだ。 



ヘッドチューブ前面は曲がっているし、厚さは不均一だし 『これは不良品でしょ?』 と、ABG に直に問い合わせても梨の礫で、やっとこさ代理店経由で寄こしてきた回答は 『すべては意図的にそうしている』 と、 そして代理店からは在庫している他のarchon のヘッドチューブも同様の曲がりと不均一な厚みがある写真まで送られてきた。  不良と思われるのが私のものだけではないことは分かったがどうも釈然としない。  確かにトムソンのシートポストの様にチューブの前後を薄くしてサイドを厚くしている例がある。 が、こいつはとても意図的とは思えない。  なぜなら、薄くなっている場所が11時と5時の位置なのだから。



これはトップ&ダウンチューブを巻き付けて溶接面積を大きくした為に薄いヘッドチューブに熱変形が生じたからではないか? 前面に曲点、そしてヘッドチューブ断面の円に狂いが出ているところにヘッドパーツを圧入する内側は当然真円にリーミング処理されるから部分によって肉厚、肉薄部分が出たのではないのか?






最薄 : 1.34mm、 最厚 : 1.76mm



溶接の技術的な問題によるのか? それとも他のフレームもそうなっているとなれば、そもそも肉薄のヘッドチューブにこれだけ大きな面積をグルリと溶接すれば変形をおこしてしまうものなのか? 



現在、ラインアップを見ても LITESPEED はカーボンがメインになってしまったように見える。 当然企画屋的様相が強くなるだろうしチタン部門のリストラは粛々と行われただろう。 そう言う会社の雰囲気は職人の士気に影響を与えるだろうし、当然プロダクトにも現れるだろう。 凝りまくったデザインによって設計上ますます難しい溶接が求められるところにクラフトマンシップは失われているかもしれない。







同じく 325Ti& 64Ti チュービングの2 つのフレームが作られた時期には10年の差がある。
そして、この軽薄化で440g もの軽量化を果たしている。
対して、素材としてのチタンの強度は?多少の強化はあったかもしれないがカーボンほどの進化は到底望めない ・・・だとすれば、デザインの最適化だけで440g 、すなわち3 割もの軽量化を果たしたのか?



いずれにせよ、どのディテールをとってもギリギリ感が漂う ・・・と言うか、すべてのパイプの厚みを3割カットしなければそれだけの軽量化は果たせないのだからギリギリ感が漂って当然ではある





もっとも、評価は高いし強度的に NG である客観的根拠は何もない。
他のチタンフレームと見比べてそこはかとなく不安を感じると言うだけのことである。 
でもそれは私をして一年以上フレームのまま放置させるに十分な 『憂鬱』 である・・・

  


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