20131029

Shigefusa knife

  
  
 
  
 
ちょっとしたお遣いでかっぱ橋に来ました。 
お遣い用ペティに名など彫ってもらっている時に見つけてもうたんです。 えらいオーラのあるやつ。
もちろん店員さんに言うて手にとった。 そして下さいって言うてもた。
ペティ(奥)の粉末鋼の小奇麗なダマスカス模様もいいんだけど、鋼、地鉄を重ねて鍛えた小刃(手前)のブレードは凄みが違っていた。
 



 
自転車もそうです。 そこそこの物なら何ら問題なくよく走る。 でもそれ以上の差は結構感覚的なもの。


家に帰ってちょっと仕上げ砥で砥いで指先に刃を当てたら指紋を削ぐ様なピリピリする感覚。
このピリピリ感の違いで普通に切れるのか、怖いほど切れるのかわかります。
トマトのジュースが勿体無いからいつも手に持ってスライスするんですけど、透けるほどの薄切りでも攣られることなくサラリと切れ込む。 トマトは切られたことすら気づかない風でヒラリと舞い落ちる。  


切れ味は刃物の種類より砥ぎに依存するという考えは否定しないけれど、同じ砥でもやっぱり違う。 トマトの薄切りは他の包丁でも出来るんですが、素材に噛みこむ切れ”味”。  ”味” と表現されるのもまさにその感覚的なちょっとした違い。 これは確かにある。  


ただ、かと言って、包身自体は厚めに作られているから、硬い素材を切るには抵抗が多くて、オールマイティーというわけにもいかない。 奥が深い。
 
 
 
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20131026

秋のメンテナンス

  

ある時期一気に揃えたヘッドセット廻りを弄くる機具。 
なかなか出番もありませんけど、秋なのに天気が悪いそんな日はこいつを使って普段なかなか手が届かないところまで。
 
 
 
特にヘッドセットに関してはキングっていう名前に全幅の信頼でメンテもなおざりになりがち、偶に玉あたりの部分にグリスを塗る位じゃダメだったみたいです。  組み付けてあると不具合も見えにくいですが、単体で回すとあのヌメッとした回転はなくなり少々ジャリっと明らかに異物まで感じる。 ベアリングを露出させてみれば新品時には割とたっぷり詰めてある赤グリスはゴムシールにべっとりと固まり殆ど抜けてました。
ヘッドセットを外したのをいいことに台所用洗剤と歯ブラシでゴシゴシお湯で洗いレスポ水置換潤滑剤、その後グリスを詰めておきました。

 
 
今までスナップリングをキリや、小型ドライバーで取り外していたのですが、特に径の小さなベアリングはなかなか外しにくい。 今回ふと思い出した時計のバネ棒外しなる機具 (上の写真の銀色の棒) を使えば外しやすくてとてもいいです。 




 
そしてこいつ。
カンパがエルゴレバーのスモールパーツ供給を去年既にやめていたと初めて知りました。 これからはたとえスプリング一つの不具合でもアッセンブルパーツ全体を交換しなくちゃいけなくなる。  今回このパーツを使うと手持ちスモールパーツは右エルゴのインデックススプリング一組分しか残ってません。 よって、部品交換する分解は右側をあと一回。  
 
 
シマノのレバーは分解不可だし、最近の電動なんてほぼブラックボックスだし。  
自転車ってそのシンプルさゆえ、素人でも弄くれるところもいいと思うのだけどどんどん世知辛くなっていきます・・・
 
 

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20131023

Gilles BERTHOUD galibier


 
ある自転車屋で現物をはじめて見た。
これは綺麗。 シェイプ、ディテール、色、どれをとってもエゲレス製とは色気が違う。
色めきだちはするが革のサドルはチタンレールでもとっても重くて、きょうびの軽量サドルと比べれば3倍程の重さ。 重量自体もそうだけど車体を振った時に明らかに上部に慣性を感じるのがいけない。
まあ、そんなことでBROOKS Swallow Titanium は押入れの中で眠ったままだし二の足をふむのだけど・・・








  

 
手にとって見せてもらうとサドルにはシリアルナンバー  2013 - 1111
「やばい、俺が好きなゾロ目や。」 これはまずいパターン。  
そもそも、急いでほしいものでもない輸入したほうが絶対安いものをここで買うのかと・・・、 
おまけに使わない可能性は高いし、1112 だったら買ってないし。
  
 

はたして、今眼の前にあるそれを量ってみればカタログ値320gに対して350g
見た目はずっと軽そうなのにBROOKS Swallow 8gしか違いやがらない。  




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20131020

ディスクパッド交換



東北の旅から既に2ヶ月経ったって遠い目になりながらメンテしてました。
厚み残り僅か0.5mm未満のまま数百キロ走り、パッドはほぼ幕一枚の厚みにまで減っていた。
いつトラブルが起きてもおかしくないような状況のままいっぱい山走って無茶したなあ。


新しいパッドはオーガニックパッドというのにした。  
Avid は ”オーガニック” て言いたかっただけと思いますけど、あたりが出るまでの時間が短かったから柔らかそうです。 
 
 
 
Related to:
http://feticizm.blogspot.jp/2013/08/blog-post_25.html 
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20131010

伊万里の牛と磁器


 
佐賀を走っていると、わりと頻繁に黒毛和牛舎に出会う。 
牛は人懐っこくて、お顔は本当に可愛くって ・・・ 「なのに」 って自分を攻める。 本当に。
じゃあ、自分が食べないならこの子は生きながらえるのか? そんな風に自分を言い負かして気を紛らわせておるのです。
  
  
  

 


 
 

 
佐賀牛は仙台牛に続いて日本で2番めにその基準が厳しい肉として知られている。 
具体的にはA5と言った基準でいうところのサシのキメ細かさが4 の中でも最上グレードと5 しかない。
要は佐賀牛を名乗るだけで霜降りが立派な高級肉というわけです。(因みに仙台牛はA5B5しかない)
 
 
 
歳を取ると脂が落ちない鉄板焼きでロースは厳しいんですけど気合を入れてサーロイン(分厚い方)。
もう一枚はメニューに赤身と書かれていたがサシが入りまくりのイチボだったのには驚いた。
 
 
ものは伊万里焼に乗ってやってくる。 器が素敵です。
和にも洋にもあうのは中世期から海外にも輸出されてきた伝統から昇華されたものだからでしょうか。  ちょっともたれただけで済んだのは脂身の質が悪くないからか。 アミノと脂の甘みの融合。
炭火ならもっと食いたかった。
  
 
 

 
肉屋の伊万里焼という取っ掛かりから、来る予定もなかった山間の窯元、鍋島焼。

 
藩御用達、幕府献上用の磁器の技術流出を防ぐために伊万里から離れた山間に設けられたそう。
今や薪を炊いて焼き物を焼くこともなく煙突は只のギミックだそうだけど、山に掛かる低い雲と相まってえらく雰囲気がいい。   
  
   
  

  
  

  
サンマが納まる長皿が欲しいだとか、ましな醤油差しが欲しかっただとか、余計なことを思い出し何点か購入する始末。  一点の取っ掛かりから滲みだすように行動が他方面に向かった。  
  
  
  

 
玄界灘の幸をメインに攻めた唐津の夜。

 
盛ってもらったら刺盛りの中に柚子胡椒で食べるオコゼの内蔵の湯引き ・・・ また産まれて初めての食材に出会えた。 


旅の醍醐味。 呵呵
 
 
 
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20131004

殺 生

   
 
崎戸から大きな伊勢海老が届いた。 
1.3kgだから13年物。  人間で言えば中学生である。
  
 
 
   
  
   
   
  
   

 
しかし、これが困った。 一言で言えば可愛いのである。
窮屈な箱が嫌なようで、蓋を開ければ箱から抜けだそうとする。 角とか脚とか触ると角の辺りから出る大きな声で「ギーギー」と泣く。 目なんてまん丸で愛らしい。 足で歩くし。下手したら大きさ的にも子猫と変わらない気がしてきて、ヨシヨシと撫でてみたりもした。 こうなるといけない。 これから、刺し身と焼き物を造らねばならないのだけど既に憂鬱だ。 水槽を買ってきて飼うことなどありえないからこうやってブログでも書いて気を紛らわすしかないのだけど、やるしかない・・・
 
 
普段色んな物を口にするけど、命を頂いているという意識が薄いことに愕然とした。
無駄なく身はもちろん、殻も出汁をとろう。 
 
 
Related to:
http://feticizm.blogspot.jp/2012/10/blog-post_31.html 
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20131001

ChrisKing Hub


 
  
    
   
    


クリスキングのハブをメンテをする度。 パーツを抜き、填めるときに感じるカッチリとした精緻な加工、表面仕上げの綺麗さにウットリする。 分解し内部を見ればフリーボディーの中は77DURABBよろしくハブ軸をニードルベアリングで受けている。 駆動力は細かく切り込まれたスプラインを部分的に噛みあわせ伝達するリングドライブなるラチェット機構を採用していて、普通とは違うしとにかく凝りまくっている。
 
 
 
「なのに」と言うか、フリ-側のベアリングの玉押しはフリーボディ本体が兼ねていて、泥水など掛かりまくりの場所に剥き出しになっていたり。 当然そんな場所だからフリーの玉押しの接触部分に微細なチリが入り込み傷になったりします。  そしてリングドライブを分解するには専用の工具が必要で、普通にはメンテナンスできない ・・・  凝る所違うんちゃうの?と思うところも多々ある。
 
 

もっとも、見た目気に入ってるし滑走時のAngry Bee音もいい。 6年間使って壊れるようなこともなかったし清濁併せ呑んでこのハブが好きです。  でもずっと心のなかに思ってたこと。 それは回転がよくない。メンテ前後、季節の変化による性能変化が大きい・・・  KINGのご威光に目をつぶってましたけど。
フリーの抵抗が大きくて滑走中など他のホイルで言えば軽くブレーキを掛けているくらいの抵抗を感じることも。 リングドライブは構造的に引きずって抵抗となるスプラインの数が普通じゃないのです。 

  
 
凄いものといいものとは違う。・・・ 以前聞いたPASSONI乗りの印象的な言葉をパクらせてもらいます。



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